「大浮世絵展」を堪能したあと、特別企画展のチケットに付属している券でコレクション展も見てきました。所蔵品展ですね。今までの感じだと「常設展示」みたいなものでしょうが、最近はその美術館のコレクションを、テーマに応じて期間展示してらっしゃるところが多いように思います。え?もともとそう?(寡聞ですみません。)
以前は収蔵品の展示というと、展示スペースが狭かったり展示量がやや少なめだったりというイメージでしたが、さすがリニューアルしただけあって、新しい市美術館のコレクション展示は大充実でした!
“新しい”常設展示
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明るく広く(とっても)なったスペースに、ゆったりと、多くの作品が展示されています。
一番はじめにこういうかたちのコレクション展示を見たのは、
長崎美術館ででした。
その時は特別展示の
「マリー・ローランサン展」を観に行って、楽しんだのでしたが、
そのあと回ったコレクション展示にびっくり。
こんなに質量ともにたっぷりの“常設展示”は初めてだ、と思いました(同行の人もびっくりしていたので、やっぱり画期的だったんでしょう)。
展示スペースも広く、どうかすると特別展示より多くのスペースを割いていたかもしれません。
コレクション展のためだけにでも、何度でも訪問したい、と心から思いました。
そして大変感心し、嬉しかったのを覚えています。
長崎美術館は、建物もよかったなあ。
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コレクションハイライト1
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さて今回展示されていた福岡市美術館のコレクションですが、
まず特別展示と同じ二階が会場になっていたのは近現代美術です。
・コレクションハイライト1 美術史を彩った巨匠たち
・コレクションハイライト2 1945年以降の現代美術
・朝倉文夫・摂・響子
・渡辺千尋
のブロックに分かれていました。
コレクションハイライト1には、ダリ、ミロ、シャガールなどを目玉とした作品が並びます。
朝倉文夫・摂・響子展を見ながら、彫刻家の才能というのは絶対自分には想像もできないな、と感じました。
個人的なことですが、もともと造形するのが大の苦手な上に、三次元のものをイメージするなんて、自分にはとてもできません。
これを作った人、彫刻を作ることの出来る人には、自分が作ろうとしているものが、
三次元で、立体的に、「見えて」いるんだろうなと思うと、とんでもないことに思えます。
渡辺千尋さんの作品は初めて見ました。
銅版画ってこんなに美しいんだ・・・とこれも初めての認識です。
あとでネットで画像を見たのですが、本物の美しさ、繊細さ、迫力は、全く違います。
これは「ナマ」で見られて本当によかった。
いろいろと好きな作品はあったのですが、一番好きだったのは「線の記憶」でした。
コレクションハイライト2
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コレクションハイライト2は現代美術。
「九州派」などの作品も並びます(好きでした)。
個人的なことですが、以前は現代アートなんてさっぱりちっとも全然わからなかったのに、
ここ数年かもうちょっと前から、少しずつ、魅力を感じるようになってきました。
楽しめるものが増えたというのは嬉しいことです、。
まあまだまだちっともわからないものや、ちょっと好きになれないものがあるのも事実ではありますけど。
部屋に入るなり引き寄せられ、しつこく見てしまったのが
戸谷 成雄さんの「森Ⅷ」でした。
あんまりしつこくじろじろ見ていたら、座ってらした学芸員さんが、より楽しめる方法を教えてくださいました。
まあ、教えられる前に、気付けよ、というものでもありましたが・・・。
学芸員さん、ありがとうございます。
古美術ゾーン
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さて一階に降りて、コレクション展古美術ゾーンに入りました。
入るなり、テンションが上がってしまった!
ちょっとびっくりしたのです。
迫力あったんだ。展示の仕方がかっこよかったんだ。
グッと来てしまったんだ(笑)。
この感動、萩美術館で初めて三輪休雪さんの作品を見た時の感じに似ていました。
思いもかけなかったんだと思います。
入ってすぐ目に入る「それ」の後ろに、
厳かに展示されていたのが「東光院のみほとけ」で、
美術館のサイトに「お寺を思わせる空間へと生まれ変わった展示室」と
書かれていたとおり、
印象的な照明の中、大変魅力的な仏像展示となっていました。
かっこよかったなー。すてきになったなー。
続くのが近世絵画と茶道具の展示。
近世絵画の展示室も、ゆったりしていて、とても見やすい。
茶道具は個人的に興味があるので、とっくり見ました。こちらは勉強になりました。
本当はカフェやレストランにも入ってみたかったし、
充実していそうなミュージアムショップでお買い物もしたかったのですが、
今回は果たせず。
しかし、大変楽しい美術館になっていたなと思います
(リニューアル前から好きではありましたが)。
特別展示が何もない時にでも、いえそんな時にこそ、
散歩がてらちょくちょく立ち寄って、
静かで豊かな時間を過ごしたい。
そう思える場所でした。
いい日を過ごすことができました。
今回お借りした画像(キャプション付きは管理人撮影) ・Maike und Björn BröskampによるPixabayからの画像 ・arielphotoによるPixabayからの画像